僕の職場である吉本新喜劇には、お笑いに精通した後輩思いで優秀な先輩しかおりません。だからアホな上司についての話なんて全くない……はずなんですけど、どういうわけか心当たりがないこともないので、僕なりの体験を語らせていただきます。

吉本新喜劇座長 小籔千豊氏

振り返ると僕の考えたアイデアを先輩が「それええやん」とあたかも自分のものとして使うようになったり、「こうしたらウケるから」と明らかに間違ったリードをされて、舞台でスベらされてしまうことがありました。新喜劇の世界で座長というトップを目指して少しずつ点数を積み上げていく中で、たとえ上司の指令であれスベってしまえば何十点もマイナスになるわけです。こんな迷惑な話もありません。でもそこで「おまえの言うこと聞いたらこのザマや。なにしてくれんねん!」と突っかかるのは間違っていると思います。