部署外の人に助言を求めよう

組織の外にいる人々に不満を聞いてもらい、アドバイスを求めよう。これは見境なく愚痴を言うということではない。信頼できる同僚、配偶者、メンター、コーチなど、相談できる相手を見つけよう。自分が目にしていることと、それが自分と自分の仕事にどのような影響を及ぼしているかを説明して、アドバイスを求めよう。「これは上司をおとしめるためではなく、自分の視点をチェックするためだ」と、ユシームは言う。状況を外から眺められる立場にいる人は、新しい視点を与えてくれたり、効果的な対処法を提案してくれたりするものだ。

上司の能力がどうあれ、自分の仕事を遂行し、キャリアを前進させるためには、上司と協力する必要がある。上司を動かすためには、自分のニーズを軸にした表現で要望を伝えたり、やりとりをしたりするのが最も効果的だ。「自分の無能さを認識していない人間にそれを指摘しても、たいてい役に立たない」と、マッキーは言う。代わりに、「私はいい仕事をして自分の目標を達成したい。そのためにはあなたの助けが必要だ」というような言い方をしよう。自分の仕事についてアドバイスしてほしい、社内の誰かに自分を紹介してほしい、クライアントと直接連絡をとることを許可してほしいというように、自分の要望を具体的に伝えよう。

上司が手助けできない場合は、代案を出そう。たとえば上司の同輩や上役の一人に助言や他の人々への紹介を頼めないだろうかという具合に、上司が問題を解決する手助けをするのだ。

役に立たない上司を見限るのではなく、その穴を埋めるために自分に何ができるかに集中しよう。「会社や組織が何を必要としており、顧客は何を求めているかを理解し、彼らがそれを得る手助けをすることは、リーダーシップの必須要件だ。上司が組織の使命を果たしていないことに気づいたら、ステップアップするためにもがんばってほしい」と、ユシームは言う。上司のミスをとりつくろう必要はないが、組織にとって最善のことをしよう。

「リーダーシップは部下に対してだけでなく、上司に対して行使されることもたびたびある」とユシームは言う。腹立たしい気持ちを持たず、チームの利益のために必要だからやるという割り切った考え方をしよう。