たしかに、着物や食器など、その手のものの価値がわかる人は多くありません。価値のわからない遺族の手に渡ると二束三文で処分されてしまう危険性があります。それなら、自分がしっかりしているうちに、同じ趣味の仲間や弟子などに譲るほうが、その相手にとっても着物や食器にとっても、どれだけ幸せなことかわかりません。

決められるうちに決めておくのがベスト

とはいえ、自己管理ができている人ほど、徐々にモノを減らしていく傾向があります。

山村秀炯『老後ひとり暮らしの壁』(アスコム)

自分で自分の生活を管理することも歳をとるにつれて徐々に難しくなっていくので、死後のことも見据えて、趣味のコレクションなどもだんだん処分していくと、生活のストレスが減っていきます。

もちろん、死ぬまで好きなものにめいっぱい囲まれているのが幸せだ、という人もいます。そうであっても、自己管理ができている人は「自分がいなくなったらこうしてくれ」と段取りをつけています。

老いは誰にでもやってくるものです。判断力も記憶力も衰えていきます。自分の管理能力の衰えに備えて、決められるうちに決めておける人の部屋は、比較的モノが少なくシンプルな傾向にあると思います。

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