もちろん、幸せかどうかはご本人の感じ方によりますし、他人が決め付けるわけにはいきません。ただ、これまで生前整理や遺品整理でいくつもの部屋を見てきてわかったことがあります。自立して老後ひとり暮らしを謳歌おうかしている人と、そうでない人の違いが、部屋のあるポイントに現れていることです。

ゴミで埋め尽くされた部屋のイメージ
写真=iStock.com/carstenbrandt
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① 玄関と靴

まず目に入るのは玄関です。特に靴、履物の状態は、つい気になってしまいます。

ボロボロでかかとが潰れたスニーカーが無造作に玄関に転がっていると、あまり積極的に外出したり、人と会ったりすることがない人なのかなと思います。

たくさん履いて外に出ているからボロボロなのではないか? と思うかもしれません。でも私が見てきた人たちは、サンダルのようにつっかけて近くのコンビニやスーパーに行く程度のケースがほとんど。あまり出歩かないからこそ、同じ靴を履き続けて、履き心地なども気にならないのだと思います。あらためて人と会う機会も少ないので、見た目も気にしていないのかもしれません。

オシャレは足元から、などといいますが、靴がボロボロでも洋服はそれなりに洗濯されていたりしますから、たしかに足元にこそ、その人の性格やこだわりが出やすい気がします。

また、靴がこのような状態の人は、たいてい部屋も散らかっています。単にだらしないだけじゃないかといわれたらそうかもしれませんが、意外と玄関や靴にはその人の生活感がにじみ出るのです。

貴重品が家のあちこちにしまわれている

② 貴重品のありか

私たちのような業者が遺品整理に行ったとき、早めに確認しておくことがあります。なんだと思いますか? それは、お金や通帳や印鑑など、貴重品のありかです。

衣装箪笥のいちばん上の引き出しだったり、女性だったら化粧台の引き出しだったりと、ある程度は傾向があるのですが、当然人によってバラバラですから、家のあちこちに無造作にしまわれていることも、多々あります。

なぜ早めに確認したいかというと、もちろん死後の手続きに必要なものだからです。万が一、後で「見つからない」と騒ぎになったり、うっかり処分してしまったりしたら、とんでもないことになります。

余談ですが、あるお宅でお菓子の箱を開けたら、数百万はあろうかという札束がぎっしり入っていたことがあります。私たちは逐一中身をチェックするので発見できますが、ご家族の方などが見たままのゴミだと思って捨ててしまう危険性もゼロではありません。