小型の銘柄より日本の代表的な企業

新NISAは損すると断言するわけではありません。運用法を学び、コツコツと利益を積み上げるスキルを持てば、勝ち組の5%に入り、非課税の恩恵を受けるのは、不可能ではないのです。

そこで、一番重要なのは、信頼性のある企業の株を買うということです。そのためには、小型の銘柄を選ばないで、日本の代表的な企業に投資することです。東証は、海外の投資家向けに、一定の基準を満たした優良企業に「プライム」という枠を設けて、売買できるようにしています。

その企業は、資本金、業績、配当などで、安定的に稼いでいるところです。日本を代表する企業といえば、損保の東京海上、防衛の三菱重工、商社の三菱商事、三井物産、住友商事、銀行の三井住友、三菱UFJというような会社です。

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人気優先で、新規上場や小型の人気銘柄を選ぶと、思わぬ悪材料に遭遇し、大きな含み損を抱え込むことになります。その心配がないのが、商社、電機、機械、銀行などです。目先ではなく、長い目で、成長し、収益を上げている企業に投資し、新NISA枠に入れる。

これが成功する新NISAでの資産形成の仕方です。個人投資家の中には、日々の値動きが派手で、思わぬ急騰を見せる新興の銘柄を選ぶ人が多くいますが、この短期売買は安定的に資産を増やし、増えた資産に課税されないという制度の対象として適当ではありません。

商社は収益が高く、社員の給与もダントツで高賃金

また、安定的に、長期に右肩上がりの日足、週足、月足を描いているトレンドの銘柄を選びましょう。右肩上がりということは、安定的に収益を上げている、それが評価され、株が買われて、時価総額が増えているというしるしです。

日本の代表的な企業である商社は、日本特有の企業ですが、世界的に活動をしており、可能性があり、将来性のあるビジネスに目ざとく事業展開しています。その結果、収益が高く、社員の給与もダントツで高賃金です。

この会社の社員にはなれませんが、株主という形で、成長の恩恵を受けることは可能です。毎日の上げ下げで売買するのではなく、中長期的な展望で、稼いでいる商社などの企業に自分の資金を投じて、その見返りを求めましょう。

このような安定的な投資で、急激ではないにしても、ジワリと資産を増やす投資の方法が新NISAの望ましい投資先の選び方です。新NISAだから何でもよいというのではなく、投資先の企業を厳選し、安定的な収益性を評価できる銘柄に資金を投じるようにしましょう。それが、この制度でのメリットを賢く活用する、成果が上がる方法です。