100万円の投資信託が50万円相当に
新NISAでは、銀行などが、この資金を取り込もうと躍起になっています。そのために、投資初心者に対して、丁寧なセミナーなどを盛んに行っています。
「新NISAってなんだ」
このような初心者、貯蓄しか考えていない人には、「投資のお勉強」ということで、この勉強はマイナスではありませんが、実際にお金を定期的に預けて問題がないかと言えば、別問題です。
昔の話ですが、私の知人は、大手の不動産会社に勤めていて、銀行の窓口のレディの笑顔に誘われて、100万円を投資信託に預けましたが、やがては50万円相当になったようです。なぜ、このようなことが起きるのか。それは、投資信託の仕組みに、問題があります。
一度、投資信託の商品を買うと、定期的な手数料を仲介の銀行や証券会社に支払いますが、手数料以上の値上がりが出ないと、評価はどんどん下がります。
銀行では、成績を上げるために、手数料が取れる外貨預金や投資信託を「投資相談」に来た人に積極的に教えますが、それは危険です。新NISAでは、株式にせよ、投資信託でも、それが値上がりし、資産が増えるのか、減るのかをしっかりと調べ、研究して、預けなければなりません。
金融機関は結果に対して責任を取ってくれない
銀行などが売りたい投資信託は、昔から「ゴミ箱」という隠語があり、運用者が失敗したものを投資信託に入れるという過去がありました。今のようなネット時代では、その様な悪手はすぐに広まりますので、証券会社、銀行は用心していますが、新NISAについては、仲介するだけで、利益を保証するわけではありません。
これは昔の話ですが、ネット証券が盛んではない時に、中堅の証券会社の支店長が私の自宅まで来て、「これは必ず上がりますから」と言って買うように勧めて、妻が、150万円で一単位を買いました。
それで、証券会社には売買手数料が入りましたが、「上がる」と断言した銘柄は、やがて急落し、3分の1になりました。私の知り合いの社長は、昔は大手証券会社のトップセールスマンでしたが、やることは、鎌倉の金持ちのシモベになることで、億のお金を動かし、儲けは度外視。
とにかく、お金を多く動かしたセールスが、認められていました。このように、あなたの味方と思いがちな金融機関は、笑顔で投資信託を勧めますが、その結果は「リスク商品です」ということで、結果に対して責任を取ることは皆無です。これは用心しなければなりません。