お金を増やすためにはどうすればいいのか。投資生活を45年以上続ける現役投資家の石井勝利さんは「新NISA本や投資本を読むだけでは、財テクはできない。相場で勝つためには経験値が必要だ」という――。

※本稿は、石井勝利『85歳、現役・投資家のお金の哲学』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。

金貨を示すビジネスマン
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お金はもともと「交換物」だった

人とお金というのは、深いというか、なくてはならない関係で結ばれています。

お金というのは、そもそもが物やサービスの対価です。元はと言えば、紙幣ではなく、金や銀、そのほか、誰もが認める「交換物」でした。

しかし、様々な価値観のあるもので、交換するものは、価値観も違うし、信用も違います。それで発行されたのが、「日本銀行券」です。いま、私たちが、お買い物をしたり、サービスを受ける際に支払うものです。日本銀行が発行する紙幣や硬貨は、法律で定められているもので、これを沢山保有している人が「お金持ち」です。

価値のある労働やノウハウを提供することで、貨幣が支払われるわけです。これは日本国内の話ですが、海外の交易、交換をするときは、ドルが基軸通貨とされ、円をドルに替えることで、海外との取引に使われます。ただ、これはドルを交換の手段として国際的に使うという事であり、ユーロ圏はユーロ紙幣、イギリスはポンド、それぞれの国の紙幣が流通しています。

日銀券が流通しているならば、日銀券に似せた紙幣を使えばよいのかということで、独自に1万円券を印刷すると、それは「偽造」となり、逮捕されてしまうのです。

お金を得るのにふさわしい自分にならなければならない

日本全国、極めて多くの人が財布の中に紙幣を入れて、モノを買い、サービスを受けますが、その分、日本銀行が国立印刷局というところで、特殊な偽造防止の方法で印刷しています(今は電子マネーが主力ですが)。

この紙幣が欲しいので、私たちは働き、対価として紙幣をもらい、衣食住などのために使います。これが足りないのが低所得と言われ、有り余っている人が富裕層と言われます。

富裕層というのは、それなりの価値がある仕事などを行っているか、税金を支払って、親などから相続を受けています。また、相続、労働以外では、リスクはありますが、株式投資などで、値上がりの利益を手にして、所得を増やします。

その方法はリスクがありますので、それ相応の知識や技術を身につけないと、目標通りに結果を残すことが出来ないのです。ノウハウ、スキルなど、お金を対価として得るためには、それ相応のものを身につけることが必要であり、そのために、勉強し、実力をつけるのです。

したがって「お金を得る、増やす」というのは、遊んでいては無理なので、頑張って、それにふさわしい自分にならなければなりません。そういうあなたは、お金を多く得るために、この本を読んでいます。