「簡単に利用できるローン」の金利は高い

金融商品はサラ金だろうが、住宅ローン、生命保険、全て、リスクを弾き出して、運用のバランスが考えられています。お店に行って、身分証明書ですぐに貸してくれるサラ金や、簡単にカード一枚で借りられるカードローンには、返済不能、滞納のリスクが小さくはありません。

慈善事業ではない事業としての金融には、「不払い」「滞納」の分も含めて、儲かるように金利が設定されています。なので、まじめに返済すると考えている人が利用するものではありません。カードローンも同じです。

預金がない人でも、簡単に利用できるローンには、リスクも大きいので、それなりのバランスが取れた金利が設定されています。リボ払いが高い金利なのも、支払わないで商品だけ受け取られるリスクがあるので、高い金利がついているのです。

このような「金利」の基本は知らなければなりません。生命保険だって同じです。「死亡保険500万円」などという商品は、20代の人が加入すると一カ月の掛け金は大した金額ではありません。

しかし、40代、50代となるにしたがって、生活を脅かすほどの支払いが発生します。私は、貧乏学生の時、母の親戚の叔母さんから、生命保険に入ってくれ、すぐに解約してもいいから、いうようなまともではない加入を迫られ、解約してはまた加入、というようなことを繰り返していました。

生命保険の掛け金が若い人は安いワケ

これも、毎月の掛け金が18歳のころは安かったから、あり得た話です。なんでかと言えば、若くして亡くなる人もいますが、それは40代、50代、60代の人から比べれば、確率は極めて小さいからです。なので、生保の掛け金は安いのです。

石井勝利『85歳、現役・投資家のお金の哲学』(SBクリエイティブ)

これは、コンピュータで確率を弾き、それでも儲かるように設計されている商品です。生保と言えば、住宅ローンに付随する団信(団体信用生命保険)の毎月の支払いは、例えば、5000万円を借りても驚くほどではありません。

これは、住宅という担保があること、住宅を求める生活力、前向きな生き方など、様々な要素をコンピュータで弾いて、万が一、死亡して支払いが発生しても、生保としての損が少ない。

むしろ、団信は儲かるという生保の打算の上に計算されています。なので、掛け金の少ない若い時に生保に加入した方が得になっているので、テレビにも、毎月1000円以下ですよ、というような広告が度々流されます。

しかし、人は20代で死ぬことはほとんど考えないし、それよりも、お酒やデート代の方が気になります。なので、いかに割安とは言っても、生保に入ろうという人は少ないのです。

本当は加入した方が得なのですが、優先順位が違うので、遊ぶことや異性とのお付き合いにお金は回ってしまうのです。このような「お金の仕組み」は知っておいた方が断然お得なのです。

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