その商品を購入したのは「どんな人」か

①ショッパー行動

「ルミネート」では、買い物客が商品を購入した背景を分析する。サプライヤーには、戦略策定や計画立案を含めて、主に下記の内容を盛り込んだレポートが届く。

◇カテゴリー、ブランド、商品、地域、チャネルごとに、購入者がどのように商品を選んだかを診断
◇購入者が商品のブランドやカテゴリーをどう認識しているかを分析し、「最重要顧客」を得るための戦略を策定
◇商品レンジ、新商品開発、広告やプロモーションの効果測定などの計画を最適化

「ルミネート」の分析は、基礎レポートと補完レポートの2種類があり、このうち基礎レポートでは第一のソリューションとして「パフォーマンス診断」が提示される。自社商品が属するカテゴリーのトレンドを分析することで、購入者の属性と行動特性がわかる。日付、曜日、時間ごとにKPI(重要業績評価指標)が示され、主要顧客の動向まで掘り下げて分析する。

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店内のどこに商品を置けば一番売れるのか

第二のソリューション「買い物客の行動を理解する」では、他社の商品がどのように購入されたかを分析し、自社ブランドに誘い込むための方策が提供される。自社商品と同じバスケットに入っている他の商品がわかるほか、購入者の属性や購入された場所によってバスケットや購買経路がどう変化するかを分析する。

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また、初めて買う「トライアル購入」か、過去に買ったことがある「リピート購入」かなどを明らかにし、プロモーション活動や新商品の発売が与える効果を測定する。

第三のソリューションは「計画の最適化」で、新商品発売後のパフォーマンスを評価し、他社の新商品と比較できる。こうした調査は、従来は自社でコストをかけて実施するか、外部の代理店に委託するかだったが、「ルミネート」によって高い精度で得られるのは大きい。

また、商品が購入されたケースを店舗ごとに分析し、よく売れた場所とあまり売れなかった場所を明らかにして原因を特定する。

売り場ごとの販売状況がほぼリアルタイムでわかるため、プロモーションの効果測定もできる。店内のPOPやテレビCMが売れ行きにどう影響したかを観測するのに役立つだろう。

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プロモーションの施策として有力視されるのは、ウォルマートのリテールメディア「Walmart Connect」だろう。ファーストパーティデータにもとづく“Walmart Connect×Walmart Luminate”の掛け算は、高精度なターゲティングによる効果的なアプローチを実現している。