上司の手伝いと家族との遊び、どちらが優先?

アインシュタインはこのように言っています。

自分自身のことについて
誠実でない人間は
他人から
重んじられる資格はない(アインシュタイン)

こんな話があります。

ある大手銀行の同期会で話題に上った話です。

A君は地方の支店に勤めています。奥さんと子どもと銀行の寮に住んでいるのですが、日曜日、家族で遊びに行こうとしたら、同じ寮に住む支店長が溝掃除をしていました。

A君は家族を家に帰して、すぐに溝掃除を手伝ったそうですが、同期のみんなにその話をして、「出かけられないよね、だいたい日曜日に溝掃除なんてしないでもらいたいよ」と不満をもらしました。すると、B君がこう言ったそうです。

「今から家族と出かけるところなので手伝えませんが、来週は僕がやりますって言えばよかったのに」

自分自身に誠実に生きたほうがいい

さて、どうでしょう。A君は手伝い優先、B君は遊びを優先、ですが、誠実なのはどちらと聞かれると――これはB君ですよね。

近藤勝重『人間通の名言 唸る、励まされる、涙する』(幻冬舎新書)

A君は遊びに行きたかったのに、手伝わなければ上司の覚えが悪くなるんじゃないか、と手伝い、あとから上司の陰口を言っているわけで、自分に対しても上司に対しても誠実とは言えません。B君の言葉は、家族と一緒に楽しみたいという思いを優先し、来週は僕がやります、と自分にも上司にも誠実に対応しています。

ただ、この上司が、部下が手伝うのは当たり前だろ、と思っているような人物だとB君の誠実さはわからないんですね。

会社組織が大きければ大きいほど、部下は上司、上役の顔色ばかりうかがって、すまじきものは宮仕えと言いながら、自分に誠実に生きていくことをいつしか忘れてしまいます。自分自身に誠実である、ということはどういうことなのか、じっくり考えてみる必要がありそうです。

関連記事
これだけは絶対にやってはいけない…稲盛和夫氏が断言した「成功しない人」に共通するたった1つのこと
なぜ松下幸之助と稲盛和夫は熱心に神社に通ったのか…一流の経営者に共通する「お祈りの中身」
これをやれば必ず心を開いてもらえる…どんな人でもうっかり本音を話してしまう「3つの聞き方」
「パワハラ上司」に罵倒されるのが楽しくなる…元陸上自衛隊教官が実践している「最強のストレス解消法」
人生の質を上げるには「自分の機嫌をよくするスキル」が絶対重要…ごきげんの究極形「ゾーン状態」に入る方法