「確トラ」はもはや過去のものに

政治リスク分析専門の米コンサルティング会社、ユーラシア・グループの社長で政治学者のイアン・ブレマー氏も、自社のユーチューブチャンネル「GZERO Media(Gゼロ・メディア)」(7月21日配信)で、バイデン大統領の撤退は「民主党に有利に働く」と、指摘している。

トランプ前大統領は暗殺未遂後に立ち上がり、こぶしを振り上げて「ファイト、ファイト」と訴え、「並外れた能力」を発揮した。だが、バイデン大統領の撤退という、暗殺未遂事件に次ぐ「前例のない歴史的な日」が新たに到来したことで、大統領選に競争が戻ってきたと、ブレマー氏は動画の中で述べている。

そして、今後1カ月間は民主党がニュースを独占するだけでなく、同党に「エネルギーと熱狂」が戻ってくる、とも述べた。実際、そのとおりになっている。

だが、「また何が起こっても、不思議ではない」と、前述のスペンサー氏は今後の展開について、警鐘を鳴らす。

大統領選候補者の一人が暗殺未遂事件に遭い、その約1週間後に、もう一方の候補者が撤退するという、政治サスペンス映画さながらのシナリオを誰が予測できただろうか。

11月5日まで、残すところ100日弱――。「確トラ」は過去のものになりつつある。

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