移ろう「消費者の意識」にどう対応するか
消費者が清涼飲料水に求めるものには、のどの渇きを止める「止渇」以外に、「リラックス」と「リフレッシュ」がある。過去の取材では「抹茶ラテなどのミルク系飲料はリラックスで、コーラやサイダーなど炭酸系飲料はリフレッシュだ」という説明も聞いてきた。
さらに健康志向もある。国内市場全体での「無糖飲料製品」構成比は「2018年は約49%」(全国清涼飲料連合会調べ)と、5割が無糖になった。ただし、消費者の選択意識は時に揺れ動き、その時の気分で変わることも多い。
無糖化が進む中でも紅茶飲料は有糖が支持されており、約8割が有糖だという。紅茶カテゴリーで最大手「午後の紅茶」(キリン)で最も売れるのが有糖の「ミルクティー」だ。
また、大容量化の一方で、近年は「飲み切りサイズ」の小型ペットボトルを投入するブランドも増えた。「健康ミネラルむぎ茶」でも280ミリリットルのペット飲料を揃える。
現在、取引先との商談や打ち合わせでは、淹れたお茶ではなくペットボトル飲料が出されるのが一般的だ。コロナ禍では非接触の観点から、それまで淹れたお茶を来場客に出していた住宅展示場や自動車販売店でも小型ペット飲料を出すようになった。
季節商品でなく春夏秋冬に飲まれる通年商品になるには、「気軽さ」と「温めてもおいしい」と思われる商品づくりも大切だ。今のところ「健康ミネラルむぎ茶」はそうした訴求がうまくいっている。