「繊細な相手」には本心を伝える
【澤円】気をつけたいのは、相手が繊細で傷つきやすいタイプの場合です。注意をしたりなにかを指摘したりする場面では「ネガティブに受け取られるのでは?」と難しさを感じることもありそうです。
【戸田久実】つい最近の研修で、ひとりのマネージャー層の人からまさにそういった相談を受けました。わたしがその人に伝えたのは、「素直に率直に向き合ってはどうか」ということでした。
「繊細で口数が少ない相手に対して、あなたはどのようにコミュニケーションを取りたいのですか?」とわたしが聞くと、それに対する回答は「無理なことは無理だ、できないことはできないといってほしいし、我慢をしてほしくない」というものでした。
だとしたら、「そうしてくれたほうが自分も楽なんだ」という言葉を添えて、やはりそのまま本心を伝えたほうがいいと思うのです。腫れ物に触るようなコミュニケーションを取ってばかりでは、相手との距離は永遠に縮まりません。
【澤円】確かに、先の思い込みの例にもいえますが、「ネガティブに受け取られるのでは?」といった勝手な想像をしたところで、それだって思い込みに過ぎないかもしれませんね。その思い込みに縛られて行動やコミュニケーションが取れないとなるとなにも解決しないのですから、素直さというものも大切なのかもしれません。