感謝を挟みながらお願いごとを伝える
【感謝の型】
「Bくん、いつも部の催し物に協力してくれてありがとう。この手のお願いごとってなかなか申し訳ない気持ちになることが多いんだけど、Bくんにはいつも気持ちよく受けてもらって助かってる! ちなみに今度また歓送迎会があるんだけど……幹事お願いできないかな? ごめん! ありがとう!」
シンプルに日頃の感謝を挟みながらお願いごとを伝える方法です。ふつうに頼むよりは少しだけうれしい気持ちで受け止めることができますが、上記の例で丁寧な伝え方をしたように、感謝の内容にリアリティがないと「とってつけた」ようになりがちなのでご注意を。
【ほめるの型】【オンリーワンの型】
2つの発想を組み合わせて使うこともできます。
「Bくん、今度の歓送迎会の幹事をお願いできないかな? 今回異動しちゃう田中さんとも、次に異動してくる佐藤さんとも仲いいでしょ? ほら、こういう会って、誘われる人によって全然気分が変わってくるからさ。Bくんに仕切ってもらえるとみんなうれしいと思うんだ」
もしBさんが、人当たりのいい人気者だったとしたら、そういう部分を見つけて褒め称えながら適任だという説得力につなげることができます。こういうふうに言われて、うれしくない人はいないと思います。
負担を「自分と相手で分ける」ことを伝えるのも効果的
【協力の型】
この型は、伝え方だけではなく、具体的な行動を足すことで成立する型です。
「Bくん、今度の歓送迎会、幹事をお願いできないかな?あんまり負担かけたくないから、僕のほうで去年までに開催したお店のリストを送っておく。人数も来週には決まると思うから、Bくんはお店を押さえるのと、当日の進行をお願いできない?」
この型以前のものと比べると、Aさん自身が動く手間が増えています。お願いごとのハードルが高いと判断される場合は、こういうふうに負担を自分と相手で分けることを説得の材料にして伝えることも効果的ですね。または、自分にも負担があることがもともと決まっている場合のお願いごとは、こういう伝え方をしてみるという手もあります。
さて、いろいろなケースに当てはめて展開してみましたが、どれが正解というのはケースによると思います。Bさんの性格やAさんとの関係、社風やタイミング、会の規模によってハードルも変わるでしょう。大切なのは、何か1つお願いごとをするにしても、いろんな伝え方のパターンが選べること、それぞれのケースで最適な伝え方が変わってくることを知っているかどうかです。一度ご自身でもいろんな型に当てはめて実践してみることをおすすめします。