家計簿をつけるのは当たり前

家計簿をつけると、まず、自分のお金の使い方のクセを知ることができます。特定の出費が多いことに気づいたり、使途不明金の多さに驚いたり、実はもっと使える余地があることが分かることもあります。その上で、自分が今持つ貯蓄や負債などのストックを確認できれば、自分のお金まわりの確認は完了です。

お金の教養講座を主催しているとよく受ける質問があります。

それは「家計簿をつけることにどんな意味があるのか?」というものです。

家計簿は面倒くさい、大変そうだという気持ちが伝わってくる質問です。たしかに、家計簿をつけなくても人生は送れます。

しかし、この質問は、お金について少し学んだことのある人なら、「はみがきをすることにどんな意味があるの?」と聞かれたのと同じぐらいの衝撃があるでしょう。

はみがきをしなくても人生は送れます。しかし、虫歯になるし、それ以上の病気を引き寄せるかもしれません。

家計簿をつけたことがない、あるいは昔つけたけど挫折したことがある人もいるでしょう。大丈夫です、何ごとも習慣化できると、はみがきと同じくらい普通になります。逆にいうと、挫折してしまった理由は習慣化できなかったことにあります。

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「しくみ化」すれば楽になる

次の項目で、私が生徒さんにお伝えした方法をいくつかお知らせします。

習慣にするためには、しくみ化が大切です。簡単に、自動的にやってしまうようなしくみです。いくつかはお伝えしますが、このしくみ(あるいはやる気スイッチとも言えるかもれません)は個人によって違うため、最初はいろいろ試してみる必要があります。ただ、ひとつ覚えてほしいのは、「家計簿で自分の収入と支出を知ることからしか、お金のことは始まらない」ということです。

趣味など自分が続けられていることを思い浮かべながら、その共通項を探してもいいかもしれません。続けられた先にある姿を思い浮かべたり、頑張ることを周囲に宣言したり、仲間を見つけて一緒に取り組んでみてもいいかもしれません。私の講座ではライングループをつくって、進捗を報告し合ったり、情報交換をしたりしています。