誰かと「比べる」ことをやめる

「劣等感」をこじらせない――卑屈になることなどありません

劣等感のない人はいません。傍目にどれだけ才能にあふれて見える人にも、人格者と評判の人にも、容貌に恵まれた人にも、劣等感の一つや二つはあります。

それに自分にとっては劣等感を覚えることであっても、人から見れば「どうしてそんなことに劣等感を持つのかわからない」という場合も少なくありません。

枡野俊明『仕事も人間関係もうまくいく引きずらない力 もっと「鈍感」でいい、99の理由』(三笠書房)

たとえば知り合いの俳優さんは190cmと長身で、そこに劣等感を抱いていたといいます。「あと10cm背が低ければ、お話をいただける役の幅がもう少し広がるのに」と。

そんな悩みは、「もう少し背が高いといいなあ」と願う多くの人からすれば、想像もできないでしょう。

劣等感というのは、そのくらい根拠のあやふやなもの。誰かと、何かと比べてわかったことを「優劣」で判断するから生じる感覚でしかありません。最悪なのは、劣等感をこじらせて卑屈になってしまうことです。

ですからいい加減、もう比べるのをやめましょう。その瞬間、劣等感から卑屈になることも、優越感から傲慢になることもなくなります。

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