「退職後半年で後悔」のワケ

退職後半年がたち、田中さんは退職したことを後悔しはじめています。

理由は、思ったように再就職先が見つからないこと。

そして、退職後収入が途絶えた一方、生活費は毎月かかるため、通帳の残高が減っていくのを見るにつけ、将来生活していけるだけの資金があるのかと、不安になってきたと言います。

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人手不足が叫ばれている昨今、再就職先をみつけるのは、さほど難しくないだろうと思っていた田中さんですが、実際は思うような就職先が見つかりません。

転職サイトや人材紹介会社を通して、いくつか話は来ましたが、会社の規模や仕事内容に魅力を感じることができず、年収も前職と比べ大幅に下げた額にさえ満たない金額を提示されたりと、「ここで働きたい」と思える会社はなかなかありませんでした。

たまにある条件のよい会社は、応募者も多く、採用にこぎつけません。

「辞めた会社と遜色ない職場で」という思いが再就職を遠ざけた

以前の会社は、名前を聞けば誰でも知っているような、国内有数の製薬会社。そこで課長を務めていた田中さんは、口では「年収が下がっても、ワークライフバランスを大事にできる職場ならどこでもいい」といいながら、心のどこかで「やめた会社と遜色ない職場で働けるものだ」という思い込みがあったのかもしれません。

再就職に踏ん切りがつかない田中さんは「こうなったら起業をして、自分の力を試してみようか」と考え始めているところです。田中さんは、専業主婦の妻と大学2年生の娘さんと暮らしています。

このまま仕事が見つからなかった場合、どうなってしまうのでしょうか。

今では共働きが当たり前の時代ですが、50代以上の世代にはまだまだ専業主婦を養っている男性もおり、田中さんもその一人です。いわば早期退職や起業などの“身動き”の制限が最も厳しいパターンで「早期退職どうするか問題」を考えていくことにします。