朝食ミーティングは時間を有効活用できる

国内外のエグゼクティブたちの朝は早い。多忙でもある彼ら彼女らは、朝時間をとても有効に利用しており、早朝からの朝食ミーティングもその一環だ。

朝食ミーティングのよさは、何より健康的。今日1日最初の仕事なのでお互いにフレッシュで頭も冴えている。都心でも空気は澄んでおり、車も人通りもまだ多くなく静かで、どこに行っても混雑も渋滞もなく、かつお得な気分になれる。普段とは違う試みで新鮮でもある。

時間が有効活用できる点も大きい。朝だから次の予定も決まっているので、ダラダラ長引かない。ランチやディナーでの打ち合わせと比べコスパもいい。優雅にオープンテラスで2時間を超える朝食ミーティングを終えても、まだ9時や10時だったりする。

企業にとっても、従業員・社員の生産性向上や健康維持・改善につながる可能性があり、悪い話ではない。朝食ミーティングが増えることで、結果的に夜の接待や残業代などが減少するのであれば、コスト削減の面からもメリットがあることになる。

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朝活や朝食勉強会とは違う「完全なるビジネス」

もっとも、都内でも随分前からいわゆる「朝活」や「朝食勉強会」自体は行われている。カフェなどで美味しい朝食とともに、読書や英会話に勉強会、散歩、ヨガ、フィットネス、ジム、お寺巡りを行うなど、内容は多様であり、異業種交流会である場合も多い。余談ながら「朝ラー」こと朝ラーメンの店も注目されたりしている。

政治家やジャーナリスト、財団法人や各種協会などが主催する、早朝の交流会や勉強会もある。

だいたい平日朝7時過ぎから都心の高級ホテルの会議室や個室に集まり、ホテルが用意する朝食弁当を食べたあと、8時から9時まで、政治家や元官僚や大学教授などによる講演と質疑応答を行って散開というパターンだ、会費も5000円から1万円、2万円を超える場合もある。

もっとも、こうした朝活や朝食勉強会は、あくまで自発的な自己啓発や懇親会である一方、冒頭の「朝食ミーティング」は、完全なるビジネスであり、交渉や取引、商談の場という点が違うといえよう。

なお、ランチミーティングは、もはや日本でもすっかり定着している。しかし、どうしても朝食の場合よりも、ランチ自体が主役になりがちだ。また、前後の時間がタイトな場合が多く、ランチミーティングと称した単なるランチ会で終わってしまうケースも多かったりする。