「顆粒だし」で問題ない
「顆粒だしは使わず、しっかりとだしをとるべき」という意見もあります。
たしかに、だし昆布や鰹節、いりこなどでだし汁をとるのは、おいしいだけでなく減塩にもなるため理想的と言えますが、特別な減塩が必要な方以外は、顆粒だしを活用することはなんら問題ありません。
最近は、減塩顆粒だしや減塩鶏がらスープのもとなどの「減塩うまみ調味料」も豊富に揃う時代になりました。
私が訪問している患者さんに、脳卒中の後遺症により手に麻痺が残ってしまった男性がいます。持病に高血圧もあったため、医師から減塩を指示されていました。
一人暮らしなので、手の込んだ料理をつくることができず、食事はほとんどが出来合いのお惣菜でした。麻痺のため野菜を切るのも大変ですので、カット野菜や水煮野菜、冷凍野菜を活用した「減塩レシピ」を一緒に調理しています。
コツをつかんだ男性は、みるみる料理が上手になっていきました。また、短時間でおいしい減塩料理ができるので、和洋中さまざまな料理にチャレンジされています。今では、手作りホワイトソースもお手のものです。
「コンビニご飯」でもバランスのいい食事になる
日々の食事で大事なのは、「(手の込んだ)料理をする」ことより「そこそこ栄養バランスの整った食事を用意する」こと。
缶詰やカット野菜、冷凍野菜など加工品も活用して、「主食+たんぱく源+野菜」を揃えることを意識してみてください。
コンビニご飯でも、ポイントを押さえれば、ちゃんとした献立にできます。
たとえば、おにぎり(主食)、唐揚げ(たんぱく源)、和え物やサラダなど。最近は健康意識の高まりから、コンビニやスーパーで並ぶサラダのバリエーションが増えました。サラダの代わりに豚汁やミネストローネスープからも野菜がとれます。
「既製品ばかり食べているから不健康」とは限りません。手作りでも偏った食事をしていれば健康を害します。