自分の感情に流されてアクションを決めてはならない

営業の仕事は、コミュニケーションを取る仕事です。そして、求められるシンプルな成果は、売上を作ることです。

つまり、日々コミュニケーションを積み重ねて売上に変える、これが営業という仕事の本質です。では今日の自分のコミュニケーションは売上につながるやり取りだったでしょうか?

・アポイントがもらえるからニーズはないけど会いに行く
・仲が良いから、呼ばれたからとりあえず訪問する
・架電数を積まなきゃいけないから、不通の番号だけど架電だけする
・オンラインや電話で要件を済ませられるのに、社外に出たいからと訪問アポにする
・出社した方が効率が良いのに、リモートで乗り切ろうとする

これらはすべて、成果から最短ルートを歩むためのアクションではなく、自分の感情を優先したアクションです。営業・ビジネスにおいて、売上・利益はすべて数字です。そこには必ず理屈・ロジックを立てることができます。理屈を考えない、根拠がない判断は、感情に流された意思決定であり、成果を出すための行動ではありません。

営業はこういった「感情判断」が起こりやすい仕事であるといえます。

「コミュニケーションはコスト」の意識を持つ

・泣いてお願いされたから、値引きに応じた
・友人だからと無理な納期を承諾してしまった
・いつもお世話になっているからと特別に無料にしてあげた

笹田裕嗣『営業がしんどい 売れなくて悩む営業が今日からできること』(日本実業出版社)

こういう営業は「良い人」と言われると思います。しかし、営業をビジネス的な観点で見れば、その場その時は良くても、利益を削り、未来の自分やほかの誰かが負担を強いられる行為であるということを忘れてはいけません。

営業はコミュニケーションを重ねることで、会社に売上・利益、キャッシュをもたらさなければいけません。最小のコストで最大の利益を出すことが理想です。つまり、できるだけ少ない工数・コミュニケーションで成果を出すことができれば、営業として評価されるべき人材ということです。

さらに、コミュニケーションが少ないということは、相手からいただく時間も最小にすることができます。自分がたくさん話す、会話をする、やり取りをするということは、その分誰かの時間を奪っているという意識を持たなければいけないのです。

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