「5人に1人が中学受験」時代

今、賃上げの動きがようやく見えてきましたが、物価の上昇と社会保険料値上がりのダブルパンチで、手元に残るお金は実質目減りしています。依然として「将来が不安」という相談者さんたちが、私のもとを訪れています。特に厳しさを増しているのが、教育費が重くのしかかっている子育て世帯。背景には、子ども一人あたりにかかる教育費がうなぎ上りになっている現状があります。

文部科学省の発表によれば、2023年度の高校卒業後の大学進学率は61.1%と、過去最多を更新。同時に、2023年度の首都圏における私立・公立の中学受験率は18.12%と、10年連続で上昇し、こちらも過去最高を更新しました(首都圏模試センター調べ)。

子どもの数は年々減少している一方で、大学進学者は5人中3人、中学受験は5人に1人と、進学熱、受験熱は高まる一方。中学受験のためには小学校中学年からの塾通いがマストでしょうし、大学受験のためには、高校2年生の秋から……遅くても高3になってすぐに予備校へ通うことになるでしょう。通っている学校が私立の場合は、その学費と塾や予備校代がダブルで家計にのしかかってくることになります。

何が言いたいかというと――子ども一人当たりにかかる教育費は、一昔前とは比べ物にならないほど高額化しているということです。

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幼稚園から高校まで公立で574万円、私立は1838万円

実際に、幼稚園から高校まですべて公立に通った場合の教育費の総額は574万円、すべて私立に通った場合の教育費の総額は1838万円と言われています(令和3年度「子供の学習費調査」文部科学省)。

大学に進んだ場合は、さらに国立大学の授業料が年間約53万円、私立文系が平均して約82万円、私立理系で114万円ですから、卒業までの4年間でおよそ200~450万円が上乗せになるイメージです。

教育費だけでこの金額ですから、子どもを持つ親たちのため息が深くなるのも無理ありません。実際に、収入に余裕があっても、子どもが中学、高校へと進学するにつれて一気に余裕がなくなり、私のところへ慌ててかけこんでくる方たちは少なくありません。

私はこれまでに、教育費に頭を悩ませる方たちへ、現金預金だけでなく、NISAの利用も含めた貯蓄や投資をおすすめしてきました。今年に入ってからは、さらに教育費の準備をするにあたって使い勝手がよくなるかたちでリニューアルされた「新NISA」を、引き続きイチ押ししています。