“カモ”にSNSに集中砲火する詐欺犯に“加担”しているも同然
警察庁によると、SNS型投資詐欺(SNSの広告から偽投資サイトに誘導されての被害)における、令和5年の認知件数は2271件で、被害総額は約277億9000万円にも上り、1件あたりの平均は1200万円を超えている状況になっています。
なぜ、著名人をかたる詐欺が起き続けているのかといえば、長年にわたり、SNSのプラットフォーム側において、対策がなされてこなかったことが大きな要因になっていることは間違いありません。
今、筆者のFacebookに表示される有名人になりすます広告は、詐欺広告の撲滅の声をあげている前澤友作さんをかたる広告はさすがに少なくなっているように思いますが、その分、堀江貴文さんやひろゆきさんなどの著名人をかたったものが次々に出ています。
こうした調査を長くしているからか、筆者のところにはその種の誘導広告しか出てこない状況です。その勢いは止まる気配は一切ありません。これではMeta社は、“カモ”にSNSに集中砲火する詐欺犯に“加担”していると言われる可能性さえあります。
まれに正規の大手企業サイトの広告も出てきますが、まったく信用できずクリックすらしません。おそらく多くの読者も、詐欺広告の間に、通常の広告が出てくる状況が続いているのではないでしょうか。それは結果として、SNSの信用を失うことにつながっています。
今、前澤友作さんが先頭に立って声をあげてくれているのは、彼は自分がなりすまされたことに加え、日本に住む多くの方々が被害に遭っている実情に胸を痛めたからこその行動でしょう。
それに対して、16日のMeta社の声明は自らのSNSに出た広告を通じてどれほどの多くの被害者を出したかの責任に対する自覚のない言葉であり、誰が見ても薄っぺらな内容です。
Meta社は絶対にこうした詐欺につながる広告を出さないようにするために、まずは過去において、どれだけ多くの被害を生み出してきたのかという実情に向き合い、今も多額のお金を騙し取られて苦しむ多くの被害者の側を向いた対応をするべき時を迎えています。