12項目でトップを占めたのは、テレビだ。「印象に残る広告が多い」57.6%、「見聞きした、読んだことが記憶に残る」42.9%、「広告を行っている企業に関心を持つ」39.3%、「情報がよく理解できる」39.1%、「商品やサービスの内容などを的確に伝えている」37.8%、「役に立つ広告が多い」28.5%、などだ。
利用者目線に立てば、なおテレビに一日の長がありそうだが、ネットメディアの勢いを押しとどめることができるかどうか。
いずれにせよ、新聞広告は、もはやネットにもテレビにも太刀打ちできないのが現実なのである。
新聞広告が生き残る方法はあるのか
では、新聞広告は、このまま朽ちていくのだろうか。
ネット広告は、あらゆる広告主にとって、使い勝手がいいことは間違いない。ただ、ネット上には、フェイクの情報があふれ、真偽の定かでない広告や悪意のある広告が大量に出回って、社会問題化している。ネット広告の最大の弱点といってもいい。
それだけに、新聞広告の「信頼性の高さ」は魅力的に映るはず。ネットで見た広告を「新聞でも見た」となれば、より大きな安心感を生み、広告効果を高めることにつながりそうだ。
広告主にしてみれば、ネット広告が新聞広告との連動で広告価値を最大化できるなら、新聞広告を活用する方策をあらためて検討することもありえよう。
新聞協会の報告書は、そこに一筋の光明を見出そうとしている。
このままでは読者にも、広告主にも見捨てられる
広告市場で、新聞がネットに抜かれたのは2009年(テレビは19年に逆転された)。その時、それでも現在の倍近い6700億円以上の広告費があった。だが、当時の新聞界は、ネットを目の敵にしていて、ネット広告と連携しようとする動きはほとんどなかった。ネットの軍門に降るようで潔しとしなかったのである。その時点で、新聞とネットのシナジー効果を強力に打ち出していれば、広告主のネットシフトを押しとどめ、新聞の広告費はもっと早く底打ちしていたかもしれない。
成功体験を引きずった新聞経営陣の不毛なメンツやプライドと先見性のなさが、新聞界の衰退を招いたことは隠しようもない。
「新聞から広告がなくなる日」が来る前に、ネットとの連動で新聞広告が活性化するなら朗報に違いないのだが……。