西日本に多い「再仕込醤油」

・再仕込醤油

再仕込醤油は、醤油をつくるときに水の代わりに醤油を使うという独特の製法です。醤油で醤油をつくるので「再仕込み」と言われています。言わば醤油をもう1回発酵させるわけですから、溜醤油同様、こちらも大変濃厚で、独特の味や香りが特徴です。

主要産地は西日本に多く、また、しっかりと主張のある調味料なので、合わせる料理としては刺身など生臭さのマスキングはもちろん、洋風のフライや、あるいはカレーの隠し味に使っても、しっかり存在感を示し、料理を引き立ててくれます。

大変特徴的な醤油を使う地域として、九州が挙げられます。

九州の醤油は甘く、砂糖を混ぜていますが、これには様々な理由が考えられています。

焼酎に合わせる食事として甘味が好まれた

九州は暑い気候で大量の汗をかくため、塩分、糖分ともに求められたこと、サトウキビの産地に近く砂糖が手に入りやすかったこと、また、醤油づくりが広まった江戸時代に、海外との貿易が許されていた長崎があり、貿易を通じて砂糖が入手しやすかったことなどが理由として考えられます。

他にも、九州では焼酎がよく飲まれるため、日本酒に比べると糖分が少ない焼酎に合わせる食事としては甘味が好まれたこと、九州でとれる魚はブリやサバなど油の多い魚が多く、これも甘い醤油と相性が良かったことなどが、理由として挙げられます。

写真=iStock.com/liebre
焼酎に合わせる食事として甘味が好まれた(※写真はイメージです)