「目を見て話す」苦手克服のための2つの方法

ここからは、最終的なOKをとるためのカギ「目を見て、語尾まできっぱり言い切る」を実現するためのポイントを考えます。

まずは、「目を見て話す」から。単純なことですが、昨今はこれを苦手にしている部下層の方が増えています。

街中では若者同士がお互いにスマホを見ながら雑談するシーンを、職場でも並んだ社員同士がパソコンを見ながら話すシーンを多く目にします。そんなことから、目を見て話すことに慣れていない人が増えているのでしょう。

全体的な傾向として目力めぢからが落ちています。それでは、なかなか説得できません。私の知人にイギリス人の英語講師がいます。彼が言っていたのは「多くの日本人は英語力があるのに、外国人の目をしっかり見て話さないから伝わらない。レーザービームのように相手の目を見て話さないとダメ」ということ。

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では、どうすればよいか。目を見て話すのが苦手な方にお勧めしている方法が2つあります。1つは、即効性のある対応で「考える時は視線を切る」ということです。

目を見て話すのが苦手な人にとっては、相手と目が合う状況だけで気詰まり感があります。その上で内容を考え、言葉を作り、発声するというのは負担が大きいもの。だから、考えている間は視線を切って、負担を減らそうという作戦です。

「相手の眉間や鼻のあたりを見て話す」はダメ

例えば、話の中で「今回の提案の理由は業務効率化である」ということを伝える場合、「なぜ、こういう提案をしようと思ったかというと」という部分は視線を切って話しながら考えをまとめた上で、相手の目を見て「業務効率化のためです」と話す。

さほど不自然な印象を与えることはなく、相手の目を見てキーワードをしっかり話すことができます。

2つめは、即効性はないものの、根本的な解決につながる「目を見て聞く」という方法です。目を見て話すのが苦手な人は、相手と目が合っている状態に慣れていないわけです。だから、慣らします。人の話を聞く時は、受け身で相槌を打っていればよいので、話す時に比べ負担が大幅に減ります。その環境で、がんばって目を見て聞く。

続ければ、目が合った状態で会話することに慣れ、話す際にも楽になります。それに、目を見て聞くことは相手に「あなたの話を真剣に受け止めていますよ」というメッセージを送る効果もあり、一挙両得です。

このように、短期的には「考える時に視線を切る」作戦で進め、中期的には目を見て聞くことで慣らしていくのがお勧めです。

なお、目を見て話すのが苦手な人から「相手の眉間の辺りを見て会話するのはどうでしょう?」「相手の鼻のあたりを見て話すと楽と聞きましたが、それはアリですか?」と質問されることがありますが、それはダメです。百聞は一見にしかず、なので私はいつも質問者にやってみせています。質問者の眉間や、鼻のあたりを見て話してみて感想を求めると、必ず「なんか変ですね」「不自然ですね」といった答えが返ってきます。

正解はレーザービームです。