「いけるのか?」と聞かれたら「いけます!」一択

上司に提案、説得する際の話し方として語尾はとても大切です。前述しましたが、上司が最後に判断する材料は部下側の覚悟です。その意図がわかっていないと、「本当にこれでいけるのか?」という質問に、事実ベースで「できるだけ努力しますが、相手もあることですし……」と返したら、上司は「覚悟が足りない」と考え、OKは出せません。そこから、部下が説明を加えても効果はなく、時間の無駄になるだけです。

「いけるのか?」と聞かれたら「いけます!」、答えはこれしかありません。

部下層のみなさんにそういう話をすると、「でも『いけます』と言ってダメだったら、マズいじゃないですか」という心配の言葉が返ってきます。その気持ちはわかります。でも、上司はいける確率が知りたいのではなく、覚悟がほしいのです。

結果がどうあれ、最初に覚悟を示したほうがいい

冷静に比較してみましょう。「いけます!」と聞けば、上司は「覚悟はできているな」と受け取り、言い切った部下に対してポジティブな印象を持ちます。そして、結果が良ければ、「有言実行」と高く評価します。結果が悪ければ、結果に対してネガティブに評価されます。でも、最初のポジティブな印象が消えるわけではありません。

濱田秀彦『あなたが上司から求められているシンプルな50のこと』(実務教育出版)
濱田秀彦『あなたが上司から求められているシンプルな50のこと』(実務教育出版)

一方、最初に「できるだけ努力します」と聞くと、「覚悟ができていない」とネガティブな評価がなされます。仮にOKが出て、結果がよくても、最初の頼りなさの印象は消えません。もし結果が悪ければ、ネガティブ印象のダブルパンチ。最悪です。

結果がどうあれ、最初に覚悟を示したほうがよいのです。

今回は、上司に提案したり、「こうしたい」と相談したりする際に適した話し方として「目を見て、語尾までしっかり言い切る」ことをお勧めしましたが、そういった場面に限らず、上司に対する話し方は、いつもきっぱり言い切るほうがよいもの。

目を見て「いけます」「やります」「できます」「やらせてください」。このように話す部下は上司にとって頼もしいもの。信頼感が高まります。

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