「どうされますか?」か、「こちらをおすすめします」か

ビジネスにおいても、こうしたパターンをふまえて言葉を選ぶと、相手の心に響きやすくなります。

例えば、こちらから提案をする場合、「外的基準型」の強い人に対しては、「どうされますか?」と聞くよりも、「多くのお客様が採用されているのはA案です」のように伝えると有効です。

逆に、「内的基準型」の強い人に対しては、「A案をおすすめします」のような伝え方をすると、「自分で決めたいのに、指示された」と受け取られてしまいかねません。ですから、「どうされますか?」「最終的にはお客様のご判断に委ねますが、A案はいかがでしょうか?」と提案する形で伝えると、スムーズに聞いてもらえます。

なお、相手がどちらのパターンかわからない場合は、「多くのお客様が採用されているA案はいかがでしょうか」というように、どちらにも響く言葉で伝えましょう。

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「とりあえずやってみましょう」が効く相手とは

何かに取りかかるとき、あなたは率先して行動するほうですか。それとも、十分検討してから取りかかるほうですか。

「とにかくやってみよう」「今すぐ取りかかろう」と、まっしぐらに突き進んでいく傾向があるパターンは「主体・行動型」です。一方、周りの状況を見たり、じっくり検討してから行動を起こす傾向があるパターンは「反映・分析型」です。

「主体・行動型」が強い人には、「とりあえずやってみましょう」「今すぐできます」というように、行動を促す言葉が響きます。

「反映・分析型」が強い人には、「検討してみてください」と判断材料を提供したり、「もう十分考慮されたと思います」と行動に踏み出すための後押しをするような言葉が響きます。

例えば、自動車保険などの商品を案内するページを開いたとき、詳細を説明する内容よりも前に「今すぐ無料見積を取る」「今すぐ資料請求する」といったクリックボタンがあるのを見かけたことはありませんか。商品の詳細を読まずにクリックするなんて、せっかちだと感じますが、これは「主体・行動型」のパターンを意識したものと言えます。

一方、案内ページの最後にも、見積依頼や資料請求のクリックボタンがあります。これは詳細を最後まで読んでじっくり考えてからどうするかを決めたい「反映・分析型」のパターンを意識したものと言えます。