わざとカメラを遠くに置いて、自分の上半身を映す
そもそも、オフラインであなたはつねに相手の目を見ていたでしょうか?
自分の手を見ていたり、相手の動きや服を見ていたり、無意識に視線を相手の目からずらしていることが多いものです。
オンラインだからといって、コミュニケーションの方法を切り替える必要はありません。ずっと相手の目を見つづけなくてもいいのです。相手が目の前にいるのと同じように、身振り手振りしつつ会話をしましょう。
人はほとんどの情報を非言語コミュニケーションから得ています。会話の前に相手の外見を見ます。つづいて、声を聞きますよね。会話の内容ではなく声のトーンや、大きさなどが主な情報となります。
会話上手な人は、会話以外の部分で、情報を相手に渡しています。相手を叱りたければ低い声を出すでしょうし、伝わりづらい内容はジェスチャーも使います。オンラインで会話内容のみで情報を伝えようとすると、今までと感覚がちがうためストレスを感じるのです。
私はオンラインでは、非言語コミュニケーションも使うことを意識しています。
たとえば、わざとカメラを遠くに置いて、自分の上半身が映るよう心がけます。伝えづらい内容は対面と同じくジェスチャーをします。会話内容だけで伝えることを避けているのです。
オンラインでのジェスチャーは、相手にしっかり伝わらないかもしれません。それでも、今まで通りのコミュニケーションを心がけましょう。相手に情報が伝わりやすくなるので、気疲れによる疲労感もへりますよ。
集団の前で話をする際は、全員に意識を向けない
オンライン会議は、オフラインではありえない距離感で会話をしています。
つねに目の前に相手がいて、複数の人から注目される。まるで面接官が目の前にならんでいるような状態です。これでは緊張して当然ですよね。
つねに監視されていると思い、微動だにできない方もいらっしゃいます。この状態で意見を考えるのは難しいでしょう。
繊細な方は、監視されている状態で力を発揮するのが苦手です。とり組んでいる仕事より、見られている人に意識を向けてしまい、どうすべきか悩んでしまうのです。
オンライン会議では、参加メンバーの表情の変化までしっかりわかってしまいます。
たとえば、会議中にあくびをする人がいたとします。対面のときは目立たないようにあくびをしていたかもしれません。しかし、オンライン会議では未設定だとそれぞれの顔がアップで表示されます。
自分の発言中にたまたま見かけてしまった場合、「私の発言はおもしろくないんだ」と深刻に受け止め、その後の自信を失ってしまうこともあります。
集団の前で話をする際は、全員に意識を向けないことが大切といわれています。私は50名ほどの前で話をすることもありますが、基本的に話を熱心に聞いてくれている1人に注目して話をしています。
1対1の感覚になるので、リラックスした状態で話ができるのですね。オンライン会議でもこの方法を使いましょう。