受験勉強を始めたのは20歳になってから

ただ、学校や家でお金や経済の話をすることは、すごくいいと思うし大切だと思う。

親や先生が本当に教えないといけないのは、金融や投資じゃなくて「世の中は不平等だぞ」ということだよね。

俺は中学校、高校でグレて、どうにか高校を卒業したあとは、高校時代からアルバイトをしていた暴走族専用の車、いわゆる族車ぞくしゃを扱う中古車販売店で働いていたんだ。当時、彼女と同棲していたんだけど、その彼女に他に彼氏ができた。そこで彼女から「やっぱり大学ぐらい行っていないと」って言われてフラれたんだ。

グレていたころの吉野さん(写真=本人提供)

そこから俺は一念発起して、受験勉強を始めた。高校を卒業して1年半後、20歳になった年の9月に。受験まで4カ月しかなかったけれど、代々木ゼミナールの国語講師の有坂誠人先生の私塾に入れてもらって、猛勉強に励んだ。その私塾には金持ちの子どもが、やたら集まっていて、なかには父親がどれだけ偉いか、家がどれだけ裕福かを自慢するやつも多々いた。そこで俺はそいつらに、こう言ったことがある。

「俺の親父おやじはお前の親父おやじに負けたかもしれないけど、俺はお前には絶対に負けねえ‼️」

ひがみかって言われると、ひがみだよね。

受験は平等に与えられている権利

つまりオギャーと生まれた時点で、みんな境遇が決まっていて、人生というのは不平等なんだよ。金持ちの子どもに生まれたら、小学校から附属の学校に入学し大学までストレートに行ける。または留学もできる。でも金持ちの子どもに生まれなければ、大学に入るには受験しなければいけない。でも受験こそが、人生を逆転できる最大のチャンスなんだ。

金融や投資の勉強もいいんだけど、まず猛勉強して受験をパスし、その不平等をクリアすることが先だよ。金持ちにならないと、お金の勉強をしても仕方ないからね。

受験は、誰にでも平等に与えられた権利なんだ。そして古文が入試科目にある以上、やらないと受からないんだから、しょうがないけどやるしかない。あとは受かってから考えろ、それだけだよ。