ゴールに到達する金額をイメージしておくこと

そして最後に重要なポイントは、スタート時点でゴールに到達できる金額をイメージしておくことです。先ほど60歳代の資産の中央値が650万円だと申し上げましたが、同じ調査では30歳代が240万円、40歳代が365万円だとされています。

仮に35歳で240万円で新NISAを始めたとしてみます。71歳、つまり36年後に(過去の実績から)期待できるのは資産16倍です。計算してみると240万円で36年間続けた場合の期待されるゴールは3840万円と老後資金に最低必要な2000万円をちゃんと超えていきます。

同様に45歳で365万円で始めて、27年後、つまり72歳のとき資産がいくらになるかを考えると、期待としては8倍の2920万円です。これも数字上は老後資金2000万円を超えられます。

投資を始める目的は、老後資金のゴールをめざすことです。そのつもりで新NISAをどれだけの金額で始めるのかをきちんと設計しましょう。簡単な目安として「老後資金2000万円必要」という数字と「18年で4倍、27年で8倍、36年で16倍」という数字を組み合わせれば、どう始めるのがいいのかは見えてくるはずです。

新NISAを始めるのは若ければ若いほど有利です。ですから「まだ老後なんてずっと先だ」という方ほど、本当は新NISAを始めたほうがいいのです。そしてせっかくの政府が打ち出す新制度です。計画的に頑張ってご自分の未来を明るくしていきましょう。

関連記事
新NISAが始まっても投資に手を出してはいけない…経済学者が「老後に備えるならコレ」と唯一勧める金融商品【2023上半期BEST5】
新NISAで身の丈以上の投資をしてしまう人を待ち受ける悲劇…プロが指摘する「初心者が気づかない3つの死角」
新NISA「成長投資枠」をどう使うか…投資家が「業績安定・高利回り・値上がり期待の一石三鳥」と推す金融商品
本当に迷うなら「半々」でもいいけれど…「米国株と全世界株」新NISAではどちらを選ぶのが正解なのか
なぜ日経平均は史上最高値を更新したのか…景気後退中の日本株に投資家が熱狂する"ナゾ現象"の理由