10年以上のスパンで見れば株価インデックスは増加している
さて、ここまでが新NISAが話題になった理由の解説です。ここからは新NISAを始める際の重要なコツを4つのポイントにまとめてみます。
第一に投資は超長期の視野で行うべきです。ゴールはあくまで老後資金2000万円問題の克服です。ですからご自分が65歳~70歳になったとき、言い換えるともう働けなくなったときに2000万円以上の資産を持っていたいというのがゴールです。
そこで効いてくるのが投資の長期効果です。S&P500を例にとってお話しすれば、これまでもリーマンショックやブラックマンデー、古くはオイルショックなどいろいろな出来事があったのですが、それでも10年以上の長期スパンでみれば一貫して株価インデックスは増加しています。
そして計算してみると1~2年単位でマイナスになることはあっても、長期でみると「だいたい9年間で資産が倍に増える」という結果になっています。ですからとにかく短期の株価で一喜一憂せずにできるかぎりずっと持っていることが大切です。
銘柄だけでなく「投資タイミング」も分散が大切
第二に、大きなリスクを避けるためには新NISAでは積立投資を基本にすべきです。
具体的にお話しすれば、今、アメリカ株市場では生成AIと半導体が株価を大きく押し上げています。株は急騰するとどこかで一度、値下がりしていくものです。GAFAMと呼ばれるアメリカのIT大手株は2021年にも一度高騰したことがあるのですが、そのあと2022年から23年中旬くらいまで調整期に入って値下がりしました。
こういった株式市場の上下リスクを回避するためには、銘柄の分散投資に加えてもうひとつ、投資タイミングを分散することが大切だと言われています。新NISAの積立投資は毎月10万円に設定すれば年間120万円、2年で240万円を期間を分散させながら投資できます。2年間にわたって投資を分散させれば「始めた時期が運が悪かった」と後悔するリスクも減らせるでしょう。
第三に為替リスクをどう考えるかです。ここは結論としては「考えないほうがいい」という話になるのですが、そこに至る話を整理しておきたいと思います。