過去問を利用すれば効率的にテスト勉強ができる

「授業を真面目に聞いていなければ、テストでいい点も取れないだろ」と感じた人もいるかもしれません。実は、これにはカラクリがあります。

医学部のテストは、ほとんどの科目で「過去問」がストックされています。その過去問は、誰もが自由に閲覧し、コピーできるようになっています。

そして、ここからが重要です。

実際のテストでは、過去数年間に出た問題とほぼ同じか、場合によってはまったく同じ問題が出題されることがほとんどなのです。

テストが過去問から出題されるのなら、過去問を徹底的に勉強し、わからないところは個別に先生に聞けばいい。私はそう考えていましたが、同級生たちは違いました。

「まずは授業の内容をすべてノートにとり、教科書の内容もすべて頭に入れた上で、最後の実戦練習として過去問に挑む」という、ある意味オーソドックスなアプローチでテストに臨んでいたのです。

しかしテストの結果は、私のほうが高得点であることがほとんどでした。

「なぜあいつは、授業中に楽をしているはずなのに、真面目にやっている人たちよりも高得点を取るのか」と、同級生たちは次第に、私に一目置いてくれるようになりました。

写真=iStock.com/champpixs
※写真はイメージです

がむしゃらに勉強の量を増やしても意味はない

授業中も、テスト勉強も、私より同級生のほうが明らかに努力しています。

そして確実に、私より同級生のほうが、高校時代までの成績もよかったはずです。

それなのに、大学のテストでは、私のほうが点数が高い。

その原因はひとえに、同級生が日々積み重ねている「努力の方向性」が間違っているからにほかなりません。

テストはほとんど過去問から出題されるとわかり切っているのですから、素直に過去問を「教科書」として勉強すればいいのです。

しかし、私の「素直な」勉強法は、同級生たちにとっては斬新だったようです。「その発想はなかった」と、みんな口をそろえて言います。

繰り返しますが、テストは過去問から出ることは誰もが知っていて、その過去問は誰もが自由に閲覧し、コピーできる状態になっているのに、です。

今まで自分が決してかなわなかったであろう人たちより、自分のほうが結果を出し始めたことで、私は自分のある能力に自信を深めていきました。

その能力とは、「努力の方向性を定める能力」です。