相手と同じくらい自分を大切にして良い

自分の中で何が大切か、周囲に何を言われようとぶれない芯があるのです。もちろん、自分の主張を言うだけでなく、相手の主張も受け止めます。

自分を知っているからこそ、相手に対しても表面的な理解ではなく、心の底から共感します。そして、私の周囲を見渡すと、単なる自己主張に終わらずアサーティブネスを発揮している人は内向型の人が多いです。自己表現を改善することが人間関係を変えることを、私はアメリカに来て学びました。

日本では相手を大切にする「おもてなし」の文化がありますが、「相手と同じくらい自分を大切にして良い」という考え方はアメリカが教えてくれました。

自分を犠牲にしなくても信頼関係は築ける

信頼を得るために自分を犠牲にしなくても、自分らしさを大切にしながら、信頼関係は築けます。アサーティブネスを発揮すると「生意気だ」と誤解されるのが日本社会でした。反面、主張しない人は自己を否定しがちなため、攻撃性のある人の攻撃対象になりやすい傾向にあります。

大山栄作『精神科医が教える「静かな人」のすごい力』(SBクリエイティブ)

アサーティブな人は他の人を尊敬する「他尊」と自尊精神をあわせ持ち、一時的な孤独に陥ることを恐れずに行動できます。そして、そのアサーティブな精神性が攻撃性のある人に対する最大の防御になります。

アサーティブネスを発揮できれば、防御を超えて、攻撃的な人間と調和することも可能です。アサーティブネスは、言い換えれば、自分を大事に思う権利を主張することです。他者を攻撃する権利ではありません。

アサーティブネスを発揮する人が増えれば社会は変わります。内向型の人はその先頭に立って社会を変える資質を持っているのです。

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