50年前に比べて2倍の時間をかけている

今日、女性が子どもを産まない理由は新しいものではなく、言い訳でもない。それは、自分たちを取り巻く世界の状況を冷静に見つめた結果なのだ。

ペギー・オドネル・ヘフィントン『それでも母親になるべきですか』(新潮社)

私たちは、かつてのアメリカ人に比べて、多く働き、多く引っ越し、コミュニティが少なく、つながりが薄い。現代の子育ての要求は高まるばかりで、今日の母親は、50年前に比べて子育てにほぼ2倍の時間を費やしている。しかも、家の外で働く母親が激増しているのだ。

今日の女性が、30年前、70年前、100年前と比べて妊娠することが難しくなっているのは、出産年齢が上がっている(現代生活のプレッシャーを一因として)だけでなく、環境要因によって、すべての人の、とりわけ男性の不妊が増えたせいでもある。

そして世界的にも歴史的にも、女性に教育や職業上の機会が開かれると、出生率が低下してきた。もし私たちが現在と同じような未来を望むのであれば、地球上の人間の数が減ること――石油を燃やしてゴミを作り、地球の裏側で育てられた肉を食べる人が減ること――が必要となる。

しかし私たちは、人生でどの道を進むかを、より自由に選ぶことができるようになった。そして、選べる道が多ければ多いほど、より多くのものを残すことができる。

「なぜ」よりも「どうしたら」の問い

皮肉屋になっているときの私は、正しい質問は「なぜ、アメリカ人女性は子どもを産まないのか?」ではなく、「なぜ」、いや、いったいどうやって「産めばいいのか?」であると思う。

楽観的になっているときの私の質問は、もっと生産的だ。「これから私たちはどうすればいいのだろう? 資源に乏しい地球、時間やお金に追われる生活の中で、子どもたちが与えてくれる喜びや希望や活力を否定することなく、産み出す新しい命を少なくするには、どうしたらいいのだろう?」

子どもを産むか産まないかの差がそれほど大きくなく、どの子どもについても3人以上の大人が子育てに関わり、母親であることが仕事と生活に押しつぶされることを意味せず、母親でないことが次世代の子育てに無関係であることを意味しない。そんな未来が想像できるだろうか?

理論家のダナ・ハラウェイは「もしも、新しい子どもを作ることが、拡大した共同体にとって、真の喜びの行為であり、重要な、日々の責任になったらどうだろう?」と問いかける。「自分の体から生まれる赤ちゃん」を超越して考えなければならない、とハラウェイは書いている。

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