ガソリン代が乱高下し、大混乱が起きる
ウクライナ、イスラエルにおける紛争による原油の高騰が続く中、野党や各種団体から「トリガー条項」を発動すべきとの要望が政府に出されています。
確かに、トリガー条項を発動すればガソリンは25円/リットル以上も安くなるため、消費者にとってはメリットが大きな要望と言えます。
しかし、筆者はトリガー条項の発動には反対です。その理由は3点あります。
1.ガソリン価格が再び下がると大幅な値上げになる
トリガー条項はあくまで「160円/リットルが3カ月続いた場合に発動する」という条例です。そのため、160円を下回った場合には再度25円加算されたガソリン価格に戻ります。ガソリンは日常的に使用する燃料であり、消費者は安定的に落ち着いた価格で購入したいはずです。今月は25円安かったけど、来月は25円高いとなると家計のやりくりが大変となります。
2.混乱を招く
トリガー条項が発動された場合、将来的にガソリンが安くなることがわかるため、高い確率で消費者の「買い控え」が発生します。また、トリガー条項の発動が解除された場合はこの逆に「買いだめ」が発生します。
実際、2008年4月の1カ月間、一時的に暫定税率が安くなった時があります。5月1日に再度暫定税率が復活することになったため、安いガソリンを求める行列が全国のガソリンスタンドで発生し大混乱となりました、
小手先の対策ではなく、「多重課税」の解決を
3.根本的な解決にならない
ガソリンが高い要因は、原油が高騰しているからだけではなく、税金にあります。
本来28.7円であるガソリン税に上乗せされている25.1円分、そして、原油のコストにガソリン税を足したものに掛け算される消費税5.3円。単純に計算しても30円の税金は本来かかるべきものではないはずです。
この根本的な問題を解決せずして、一時的な値下げをするだけの「トリガー条項」の発動は消費者の目先をごまかす「小手先の対策」と言わざるを得ません。
ガソリンを安定的に消費者が購入できるようにするためには、次のような対策が求められます。