東大・京大→5旧帝大→国立大学の序列に
ところが、1979年にこの制度がなくなり、共通一次試験(現在は大学入学共通テスト)が実施されると、その試験の成績をみてから第一志望を選ぶようになり、大学間の序列化が顕著になった。
旧帝国大学の中では東大・京大が抜きんでて、そのほかの旧帝国大学は第二志望化したが、国立大学全体では、学部に関わらず「旧帝国大学ブランド」がほかの国立大学を引き離すようになった。
たとえば、関西の国立大経済学部では、かつては、京都大学→神戸大学(神戸商大の伝統)→滋賀大学(二期校だったので京都大学を不合格となった受験生に人気だった)→大阪大学だったのが、京都大学→大阪大学→神戸大学→滋賀大学と明確な序列ができ上がったのだ。
「旧帝大ブランド」を守っていく重要性
もうひとつ、東大・京大以外の旧帝大のなかで序列はあるのだろうか。
理工系は専門別に入試区分が異なる場合もあるので分かりにくいが、法学部では東京→京都→大阪→名古屋→東北→北海道→九州、文学部では東京→京都→大阪→名古屋→北海道→九州、医学部では東京→京都→大阪→名古屋→九州→東北→北海道となっている(※)。
※河合塾「入試難易予想ランキング表」
大阪大学については、東京における東工大・一橋大・東京外語大・東京医科歯科を合わせたようなところがある。九州では東京志向が強く、ほかの地方大学も伝統を背負っているところがあるため、九州大学は学部によってはほかの旧帝大よりやや難易度が低くなっているようだ。名古屋大学はノーベル賞に強いことで知られる(卒業生からは3人)。
以上のような経緯をたどり、旧帝国大学はとくに地方において「憧れの大学」であり続けている。こうした大学がブランドを守っていくことが、大都市圏への一極集中を食い止めることにつながるのではないだろうか。