そのうえで、「国会答弁もいただけない。推薦確認書への署名について7日、『内容をよく読むことなくサインしたかもしれない』と述べたが、8日には『正直覚えていない』と修正した」「政策に関する支援者との約束を『覚えていない』のなら政治家として失格である」などと厳しく追及した。

朝日と週刊新潮に同一写真が載った意味

これには違和感を覚えた。盛山氏を更迭などしたら、旧統一教会とそのグルにも見える朝日新聞、立憲民主党の思う壺ではないか。

メディアの長年の「不作為」を棚に上げての批判もいかがなものか。旧統一教会が献金などの問題を抱えていることが報道されたのは、22年7月に安倍晋三元首相が信者の関係者に銃殺された事件以降である。

それ以前の選挙の際、どのメディアも教団の問題性を指摘してはいない。教団側が政治家に「世界平和連合」を名乗り、旧統一教会とのつながりも判明していない時期の話ではないか。選挙期間中に交わした支援者との約束を覚えていなくとも不思議はない。

8日発売の週刊新潮が、盛山氏が旧統一教会の関連団体から推薦状を受け取ったという写真を掲載し、それが朝日新聞と同一写真だったことから、政府・自民党内やほかのメディアの受け止め方がやや変化した。これは教団側からの意図的リークの可能性が極めて大きいことを意味するからだ。

世界平和統一家庭連合 本部(東京都渋谷区松濤1-1-2)(写真=Asanagi/CC-Zero/Wikimedia Commons

林氏「旧統一教会に賛同していない」

その週刊新潮によって、政権中枢の林芳正官房長官(岸田派座長)まで旧統一教会側の標的になったことで、岸田首相が戦闘モードを高めた、と周辺が受け止めた。

林氏については、参院から鞍替えした21年の衆院選前の9月に元秘書の山口県宇部市長のセッティングで平和連合事務総長らと地元事務所で会談し、必勝祈願の千羽鶴を手渡された、と報じられた。

これに関連し、9日の朝日新聞が、旧統一教会関係者が面会時、林氏に推薦確認書を提示し、選挙支援を申し出ていたと報道した。

林氏は9日の記者会見で「私は政策協定や推薦確認書といったものに署名していない。旧統一教会および関連団体の掲げる方針に一切賛同していない」と関係を否定した。面会については「相手方が旧統一教会関連団体の関係者であるという認識はなく、多数ある面会の一つだった」と説明している。