子どもや孫に価値ある資産を残せる
住宅の価値はこの時点から先も残ります。前述の④出口を考えた資産というものです。ローコスト住宅は地震やシロアリ被害のリスクにより、建て替えや大規模修繕の可能性が高いので、土地の価値が残るくらい。一方で高性能住宅はまだ住み続けることができるため、建物の価値も残っています。特に長期優良住宅は買い手にとっては安心なもので、これが本来の資産価値なのです。
また、買い手があるということは、地域づくりへの貢献にもつながります。
住まいを考えるうえで大切なのは、できるだけ先までを見越して、それまでの期間に要する費用を“見える化”することです。
住宅の購入後の費用トラブルによる後悔をあちらこちらで聞きますが、その後悔をゼロに近づけるには未来を考えたコスト算出が大いに役立つはずです。それは老後の暮らしの質を大きく変えるともいえます。
長期優良住宅はその一例です。これは子どもや孫に価値ある資産を残せるともいえるでしょう。
家を建てるべきベストタイミングはいつか?
思い描いたとおりの人生を送れる人はまれかもしれません。ただ、予想外の状況になったときに元々の計画があれば、その原因を考えて軌道修正することができるでしょう。マネープランも同様で、将来を見据えた計画を立てておくことで、さまざまな局面に対応できます。
マネープランの大きな要素がローン返済。金利によって返済額は変わってきます。
金利には変動金利と固定金利があります。変動金利は将来的に下がる見込みのある局面では有効ですよね。一方、この先上がりそうな局面では損をします。
今がどうかというと、上がる可能性が高いという予測が多く“固定金利のほうが安心”というのが社会の一般的な見解のようです。もちろん“絶対”とはいえません。金利の変動は別としてマネープランを立てるうえでは、固定金利のほうが計算しやすいという側面があります。
「今、金利が低いので家を建てるチャンス」というような謳い文句で営業している住宅会社もあります。もちろん金利が低いほうがいいと思いますが、私は「家を建てたいときがベストタイミング」だと思っています。マネープランより大きな枠としてライフプランがあります。自分の人生、家族の生活を考えたうえで決断するべきではないでしょうか。