ベストタイミングは、住宅価格の下落ではなく「補助金」

おもしろいデータがあります。住宅総合の建設工事費の指標を「2015年度を100」として変動の推移を表にしたものですが【図表2】、1960年が約20で上昇し続けて2022年には約120になっています。1960年の約6倍ですね。

おもしろいという理由はこの変動の大きさではなく、ずっと上がり続けているということ。リーマンショック後に下がった時期もありますが、一時的ですぐに上昇しています。

つまり、住宅の価格が下がるタイミングをはかること自体が無意味だということ。ただし、補助金を受けるのにはタイミングがあります。

補助金は国が実施する住宅制度とは別に自治体によっていくつかの種類があり、毎年あるようなもの、一時的なものなど時期によって変わります。

すでに終了しているものですが、今後もこのような制度が出てくる可能性もあるので、参考事例として紹介します。「こどもエコすまい支援事業」としての補助金が交付された制度です。

その条件は「高性能住宅であること」

対象工事の着手期間が2022年11月8日以降と定められており、2023年3月31日~予算上限に達するまでが交付申請期間(2023年9月28日に終了)でした。子育て世帯・若者夫婦世帯が高い省エネ性能の基準を満たした場合、1住戸につき100万円が補助された制度です。

平松明展『住まい大全 ずっと快適な家の選び方、つくり方、暮らし方』(KADOKAWA)

また、「地域型住宅グリーン化事業」による補助金制度もあり、長期優良住宅などの一定の基準をクリアした住戸が対象となります。上限100万円でその年ごとに詳細が公表されています(制度の継続は不明)。申請時期があるのでそれに合わせて家を建てることは得策かもしれませんね。

お気づきになりましたでしょうか? こうした補助金には基準や条件があり、それは高性能な住宅であること。先にも述べましたが高性能住宅は金利や地震保険料などを低くできる可能性もあります。またメンテナンスコストや光熱費を下げられるので、マネープランの優位性がとても高いのです。

夢のマイホームはマネープランの優位性と合わせて、快適な暮らしがセットになって実現するもの。しつこいようですが、それをかなえる手段のひとつが高性能住宅です。