1社だけにこだわりすぎない

選考連絡は、内定の文字を見るまでに何度も届くことになる。複数社受けているため、複数回連絡が来るという話ではない。エントリーシート(ES)の通過連絡、テストの通過連絡、グループディスカッションの通過連絡、面接の通過連絡と、選考フローごとに一報が来る。

すなわち、内定を得たということは、ひとつの企業からの連絡を待っていた時間が何度もあったということ。実際のところ、1社しか受けないという状況にはならないため、連絡回数はおおよそ、「企業数×各企業の選考フロー数」となり、下手をすれば数百の連絡を見ることになる。

選考結果のお知らせは何度もらっても慣れるものではない。携帯に通知が来るたびにドキドキし、着信に出たり、メールを開いたりするだけで心臓がキュッと縮こまるような感覚になる。そのたびに気持ちが右往左往し、心がかき乱される。

トテ ジェニファー麻綾『学生がキャリアアップするためのインターンシップ活用術』(総合法令出版)

選考結果が良かった、悪かったという問題ではなく、この通知をコンスタントに何度も受け続けること自体がハードなのだ。志望度の高い企業から落とされた日には、ため息が止まらず、何をする気にもならない。しかし、これが影響して本来できることもできなくなってしまえば元も子もない。心情の起伏を軽減させる免疫のようなものをつけることで、就活に適応しようと試みることは可能である。

何件もの通知が来ることは負荷であると同時に、通知数が多くなるほどにひとつの通知にしがみつく比重は小さくなる。片手で数える程度の企業数しか受けていなければ、1社落ちるだけで大ダメージだが、十数社~数十社の企業を受けているのであれば、1社落ちてもまた次があると切り替えがしやすい。

多くの選考連絡を受けるということは、結果のいい悪いにかかわらず、それだけの企業選考をこなしていること、その分多くのチャンスがあることを意味する。就活が終わる最後の最後まで、慣れないことには変わりない。けれども、いまも昔も好物というにはほど遠いが、大嫌いだった食べ物が少し食べられるようになるくらいには耐性がつく。