メリー氏が打ち切りを強要、それを拒否したら…

聞けば、番組のスタイリストのそのまたアシスタントである男性が、ジャニーズJr.の4人を忘年会と称して喫煙や飲酒の場に連れまわし、その様子を写真に撮られ、それがFRIDAYに掲載されるというのだ。

担当者は「スタッフにどんな教育してるの!」とメリー氏から責められ、突然『愛ラブB.I.G.』の番組打ち切りを言い渡された。

すると今度は、それを察知した東スポが「J横暴! スポンサー、テレビ局、ファンが継続望む番組を事務所が中止要請、前代未聞!」といった記事をすっぱ抜き、さらに怒り心頭となったメリー氏が要求してきたのは、「テレビ東京は社長会見を開いて、『Jr.の4人は何も悪くない。彼らは犠牲者で、単にその場に連れていかれただけだ。悪いのはテレビ東京がスタッフをちゃんと管理していなかったからだ』と謝罪しなさい」ということだった。

そして番組打ち切りについても「あくまでも局の都合と言うように」と強要してきた。

テレ東は「うちのスタッフがしたことに関しては謝るが、FRIDAYにスクープされた場に社員がいたわけでもないのでそんな会見は開けない」と返したところ、メリー氏から即座に呼び出しがあった。

そのときの記憶が鮮明によみがえったのか、情報提供者の男性は一瞬、苦虫を噛みつぶしたような顔をした。そして、そのときのメリー氏の言葉には耳を疑ったと話を続けた。

「そういう対応をするなら、今後、テレビ東京とはつき合えない。メリーさんにきっぱりとそう言われたんです」

写真=iStock.com/sippakorn
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数年間続いたテレ東出演禁止

テレビ東京とはつき合えない。

そう宣告されたテレビ東京はその後、数年間にわたり「ジャニーズ事務所のタレントはテレビ東京に出演禁止」というお仕置きを受けることになる。

出演禁止は、“徹底的に”誰一人としてだ。私は何度もSMAPにドキュメンタリー出演の依頼をしたが、いつも「ジャニーが許してくれないから」という理由で断られ続けた。これはテレ東内で、「ジャニーズ冬の時代」と語り継がれている。

さらにジャニーズ事務所のテレビ局への影響力、強制力をまざまざと見せつけられた問題が、「SMAP独立騒動」である。

いつまでも残る「SMAP独立騒動」の遺恨

前述した「FRIDAY事件」の例でわかるように、「ジャニーが許さない」「ジャニーが怒っている」と先方から告げられるそのほとんどはメリー氏が指図していた。ジャニー氏はそういういざこざやトラブルが大嫌いな人だった。

しかし、何かの強制力が発動されるときは必ず「ジャニーが……」となる。それは「ジャニー氏=ジャニーズ事務所」ということを誇示する目的と、もうひとつはメリー氏がジャニー氏の名前を笠に着ていたということもある。