「文化」を土台から正していく必要がある
つまり、裏金は「政治活動や選挙にお金がかかるから」仕方なく作られるのではなく、政治活動や選挙をするうえで、マスコミに後からモラルが指摘されるようなグレーなお金の使い方、あるいは公職選挙法に触れてしまうような完全アウトなお金の使い方をしているからこそ、作られているのである。
このように考えると、今回の自民党裏金事件の悪質性がより明確になるだろう。
自民党安倍派に所属し、裏金問題で辞任した鈴木淳司前総務相は、当初キックバックを否定していたが、12月15日に新旧大臣の引き継ぎで総務省を訪れた際、キックバックを一転して認め、「この世界では文化と言っては変だが、そういう認識があったのかなと思う」と報道陣に言い放った。
この発言について、自民党関係者は「地方で議員にお金を渡すことまで含めて、カネの流れが全て文化になっている。この文化そのものをなくさなければ、政治とカネの問題を根本から解決することはできないだろう」と解説する。
「令和のリクルート事件」とも呼ばれるような大騒動を受けて、単なる小手先だけの対応にとどまるのか、それとも、国会議員と地方議員の関係、選挙におけるお金の使い方などの文化を全て土台から正していくことになるのか。
それが今まさに自民党に問われていると言えるだろう。