「ものより経験」にお金をかける習慣が未来の自分を変える

続いて、4位以下から、注目の書籍をご紹介します。第4位は、『お金の不安がなくなる小さな習慣』でした。

有川真由美『お金の不安がなくなる小さな習慣』毎日新聞出版

人をわくわくさせることもあれば、不安にさせたり、争わせたりもする「お金」。ちょっとした習慣によってお金の不安がなくなるとしたら、ぜひ取り入れてみたいと思いませんか。

本書は、『いつも機嫌がいい人の小さな習慣』や『いつも幸せそうな人の小さな習慣』などといった多くのベストセラーをもつ有川真由美氏が、お金とうまく付き合っていくための88の習慣を紹介してくれる一冊です。

新年に取り入れたいのは、ものより経験にお金をかける習慣。ものの価値は時とともに下落しますが、経験は知識や知恵、創造力、行動力などに変換され、未来の自分を形づくっていくと著者はいいます。

実際、有川氏は20代で「このままでは収入も環境も変わらない」と悟り、30代からはものよりも経験に投資するようになった結果、収入も環境も人間関係も変わっていったそうです。

また、未来のために時間を投資する習慣も取り入れてみましょう。時間の使い方を「消費」「浪費」「貯蓄・投資」の3つに分け、消費・浪費の時間を削って、投資の時間を増やしていくのです。

本書で紹介される習慣は、シンプルながら深いものばかり。新年の行動目標を立てる際、参考になること間違いなしです。

「こそこそ主義」の職場を変えるコミュニケーションの工夫

第5位の『コミュニケーションの問題地図』にもご注目ください。

沢渡あまね『コミュニケーションの問題地図』技術評論社

上司とのやり取りがかみ合わない、チャットツールを使わず口頭でやり取りしたがる人がいる、上層部の意思決定が現場になかなか降りてこない……職場における問題の多くは、コミュニケーションが原因のものではないでしょうか。

本書では、ワークスタイル&組織開発専門家の沢渡あまね氏が、職場におけるコミュニケーションの問題を浮き彫りにした上で、それぞれの解決策を提案してくれます。

例えば、情報共有が十分になされない「こそこそ主義」。この問題を解決するには、4つの打ち手が有効です。

①口頭でなくチャットツールで情報共有する
②各自の期待役割を明確にする
③日ごろ何気なく使っている用語や言い回しを明確に定義し、汎用はんよう化する
④他者や他業界、他業種の人と交流する

特に「①口頭でなくチャットツールで情報共有する」は、意外とできていない職場も多いのではないでしょうか。

グループチャットを使わず、口頭やダイレクトメッセージでのやり取りを好む人がいると、その場にいない人への情報共有が疎かになったり、新たに参画したメンバーのキャッチアップが大変になったりするもの。「どんな話題でもグループチャットを使う」とルール化し、情報共有にかかる手間を減らしましょう。

たかがコミュニケーション、されどコミュニケーション。本書の提案を実践すれば、生産性の高い職場へと生まれ変われるはずです。