会社経営は「現状の否定」から始まる
堀江はライブドア事件で有罪とされ、刑務所に入った。だが、世間は彼のことを極悪人とは少しも思っていない。冤罪ではないかと感じている人間も少なくない。そして、刑務所から帰ってきた後も、彼の発信力は増している。刑務所へ行ったことは幸運に恵まれなかったことのように思える。
しかし、戻ってきてからは、入る前よりもさらに活躍している。初めて会った時から穐田と堀江が親しくなったのは、ふたりとも世の中の現状をよしとしなかったからだ。世の中と現状を変えて理想を実現するためにもがいた結果が起業だった。
日本には起業人材、経営人材が少ないと言われる。そのための教育機関やシステムがないとも言われる。しかし、起業、経営は教師から教わったり、教科書から学んだりすることではない。現状のシステムに乗っかることでもない。逆に、現状とそのシステムを否定することから始まる。頭がよくて学歴もあって、世の中のシステムに安住していたら、会社を興そうなんて考えない。
経営者・穐田誉輝はこうして生まれた
穐田と堀江は現状もシステムもそのままではいけないから変えようと思った。そして今も変化を続けなければならないと決めている。
ただ、これはよほど生命力にあふれている人間にしかできない。さて、光通信の村上に頼まれてネット企業の目利きをやったこと、堀江と会ったことは彼の人生においては踏み段を一段上がったことになる。
ジャックでは中古車販売でインターネットの使い方を学んだ。そして、ネット企業の経営者と会うことで投資先を見つける基礎的な力を付けた。
このふたつは彼が代表となって設立する投資会社アイシーピーの業績を支える大きな武器になったのである。