もう「じゅうさん」なんて呼ばせない

十三駅に新線が乗り入れることを見越して、駅周辺の不動産開発にも熱が入る。2023(令和5)年6月には阪急阪神不動産が超高層レジデンス「ジオタワー大阪十三」を含む複合開発計画を発表した。

場所は淀川から近く、十三駅から南へ徒歩3分のところだ。開発は東側敷地と西側敷地から成り、西側敷地には履正社が運営する医療系専門学校が開校する。東側敷地には39階建ての複合施設棟が建つ。このうち3~39階は712戸のタワーマンション「ジオタワー大阪十三」となり、関西では最大規模のマンションとなる。

2階には大阪市立図書館や履正社が運営する学校図書館などが入る予定だ。学校図書館の一部は一般開放され、新たなコミュニティーづくりの場となる。

新田浩之『関西の私鉄沿線格差』(KAWADE夢新書)

阪急阪神不動産は「ジオタワー大阪十三」を起爆剤とし、十三を西宮北口のように「住みたい街」ランキングトップにすると意気込む。新大阪、関西空港から1本でアクセスできるようになり、住環境も整備される十三。関東の人々にも広く知られ、「住みたい」とうらやましがられるかどうか。

全国的に十三が羨望の的になったあかつきには、「十三」駅を「じゅうさん」駅と読み方を間違えられることもなくなるだろう。

ちなみに、十三はグルメ好きにはたまらないエリアといえる。たとえば、ねぎ焼発祥の店「ねぎ焼やまもと」は十三で生まれ、50年以上の歴史を有する。再開発が進むが、このような歴史ある名店も残ってほしいものだ。

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