指示待ち族にとって、クレームは指示

仕事ぶりが頼りない人たちについては、その原因が「彼らは指示待ち族だから」と考えると、「なぜ頼りないのか」という疑問が晴れ、納得できることがあります。

つい先日、私が某社へ問い合わせをしたときの話です。

どうにも約束した通りに業務を進めてもらえていないので、確認をお願いするメールを送りましたが、数日経っても返信がありません。

そのため再度連絡をすると、「○日のメールにご返信せず失礼しました。対応いたします。なお、連絡が前後して恐れ入りますが、こちらの業務の担当が変わりました。また何かあるようでしたらccにあるA(担当者名、名字のみ)までお願いいたします」と返信が来ました。

ccの欄には、Aさんという方のメールアドレス(だけ)が記載されていました。

これで対応してもらえるものと思っていましたが、それから1週間ほどしても、どちらの担当者からも音沙汰がありません。

写真=iStock.com/adrian825
※写真はイメージです

なかなか対応してくれない相手を変えたひと言

そこで私は両方の方に、以下のようなメールを送りました。

「○○の件、ご対応いただけるとご返信を頂戴しておりましたが、その後どのような様子でしょうか。ご担当がA様に代わられたともご案内いただきましたが、A様からは特にご連絡をいただけておりません。

A様のお名前と、ccに記載のメールアドレスをお伺いしましたが、部署名やご連絡先などを一度、きちんとご案内いただくことはできませんでしょうか」

丁寧な文章にしたつもりですが、わずかにクレームっぽいニュアンスが入っているのがわかると思います。

このようにあらためて連絡を入れると、それぞれの担当者から、途端にしっかりとした連絡がありました。連絡先に加え、状況の説明もきちんとされていたのです。

「なかなか対応してくれない相手」が、「しっかり対応してくれる相手」に代わったのですが、これはなぜでしょうか。

これはその担当者たちが、「指示待ち族」で、私からのクレームのようなメールが指示になったからに思えるのです。

こうした指示(1度目は効かなかったが、2度目のそれ)があると、彼らは普通のクオリティで対応してくれるのです。

私はこれが「彼らは指示待ち族」で説明がついてしまうことだと思っています。