大麻1グラム6000円程度で買え、SNSの絵文字が暗号に
売買価格は大麻1グラム6000円、MDMAは5000円、覚せい剤は0.3グラムで1万円程度。価格は全国共通で、乱用すると腎臓肝臓などあらゆるところに臓器障害を起こすほか、脳にも支障をきたす。
「大麻をめぐっては、3つの課題が存在します。大型の不正栽培が頻発している。合法大麻を名乗る危険ドラッグが急増していること。大麻の有害成分であるTHC(テトラヒドロカンナビノール)だけを抽出した濃縮大麻やそれを混ぜ込んだ食品が出回っていることなのです」(瀬戸さん)
指定薬物HHCH(ヘキサヒドロカンナビヘキソール)を含むグミ、クッキー、ブラウニーを食べた人の健康被害が相次ぎ確認された。意識障害や幻覚といった症状が出て、「心臓が止まるかもしれない」と搬送された人も。この大麻グミは東京だけではなく全国で販売されており、ネット、実店舗合わせて300あると言われている。騒動後、大阪や広島など、大麻グミ販売店に立ち入り検査が入っている。
この物質は、大麻の有害成分と化学構造が似ているものの、これまでは法の対象外だった。11月22日、厚労省は医薬品医療機器法に基づいて、新たに指定薬物に加え、12月2日から流通が禁止される。
大麻グミや大麻クッキーは警戒感なく食べてしまう
リラックス感を高める、ハッピー感を高める、眠気を高めるなどの効果があるのはグミだけではない。大麻クッキーは1枚3000~4000円。摘発事件では、1万枚以上作っていたメーカーも。「普通のスイーツよりもうますぎる」と評判になったが、食べた人は呼吸がうまくできないなどという症状を起こし、緊急搬送された。
大麻は吸煙したらタバコと同じなので、直ちにきて、ピークは7~10分。クッキー、グミなどは消化管から入るので、効果発現時間が遅い。1、2時間後から遅ければ12時間続く場合もある。
「規制外のモノは、化学の世界だから、いくらでも作れる。未規制のものがどんどん出てくる恐れがあります。規制すれば新しいものが出てくるなど、いたちごっこでもあります」(瀬戸さん)
大麻には大麻取締法によって所持、譲渡、譲受、栽培などが原則として禁止され、営利目的ならば所持などは、7年以下の懲役になる。これまで使用罪はなかったが、改正案が11月14日に衆院を通過。使用に関しても7年以下の懲役に。施行は1年先だが、かなりの抑止力にもなりそうだが……。