党の代弁者ではなく有権者の代弁者として

ただし女性が選挙に出るときは、有権者や支援者が候補者にセクハラやパワハラを行う「票ハラスメント」のような、つらい思いをしなくてはいけないというイメージがあります。

これは日本に限ったことではありませんが、正直、女性候補者がハラスメントを受けると、すごく弱体化します。それゆえ、そこは候補者やスタッフ、支援者が毅然きぜんとした対応ができる環境を整備することが必要だと思っています。

もちろん女性だけでなく、男性でもひどい目に遭う人はいます。ですから男女問わず、ハラスメントは犯罪というコンセンサスをつくっていかないといけません。

これまで私も厳しい選挙ばかりでしたが、それでも当選できたのは、私の見ている先が自民党ではなく、選挙区だったから。自民党の代弁者ではなく、私を信じてくれている有権者の代弁者だったので、「こども家庭庁」といったいわゆる自民党のイメージとは違う政策を訴え続けても、我慢強く見守ってもらえたのかなと思っています。

撮影=小林久井
衆議院議員 野田聖子氏

女性が政治活動するのはふつうのこと

私にとって政治は、いわゆる弱い者のために行うもの。これは昔から変わりません。たまたま幼・小・中・高・大とキリスト教の学校に通い、「神のもとに平等」という教えが自然に身に付いたんだと思います。

私は政治家という法律をつくる仕事に大きなやりがいを感じています。

女性が「政治家を目指す」というと、ちょっと変わった人と見られそうですが、同志の集まりに参加すると、一人ではない、ふつうのことという感覚が得られますし、勇気ももらえます。

少しでも政治に興味のある方は、ぜひ一度、政治塾に参加してほしいですね。

(構成=池田 純子)
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