誰でも政治家になれる可能性がある

そこで私は、岐阜県で女性のための私塾を始めました。政治家になりたい人も、なりたくない人も誰でも参加OK。なぜ私が始めたかというと、私だからできるのではなく、誰でも政治家になれる可能性があることを伝えたかったからです。

私はもともと政治家を目指していたわけでもありませんし、どちらかというと政治に無関心で、投票に行ったこともありませんでした。そんな私がここまでこられたのも、私によい影響を与えてくださった方々と安定的な政党、そして私の正直な政策を伝える舞台となる選挙への出馬機会を与えてくれたこと、そして何より岐阜県でつながった人たちの存在があったからです。他に男性に勝てることは……酒量しかない(笑)。

そんな私自身の思いを伝えたい、心のハードルを下げたいと私塾を始めたわけですが、塾には志の高い女性たちが集まり、議員になる人も出始めました。

こういうささやかな塾からでも、議員や市長になった人が多くいるよ、と当時、自民党の女性局長だった三原じゅん子参議院議員に話したら「わかりました、党でもやってみます」と『女性未来塾』という政治塾をスタートしたのです。そのときどきの女性局長が担当で、私は終身校長という立場です。

衆議院議員 野田聖子氏
撮影=小林久井
衆議院議員 野田聖子氏

女性議員のウエイティングリストを

そこから派生した「女性未来塾特別講座 女性候補者育成コース」は、本気で議員を目指す人に向けたコースで、すでに第3期まで終了。令和5年10月から第4期がスタートしています。これまで多くの卒塾生が選挙にチャレンジし、実際に議員として活躍していますが、同時に私たちのほうでは卒塾生のリストをつくり、各県連の会長や幹事長に届けるといったことも始めました。

リストを届けることで、何らかの事情で議席が空いて「誰か候補者はいないか」となったときに、そのリストから探すことができるからです。これまでは、周りを見渡して「君が出なさい」と、身近な仲間や秘書などの男性が選ばれていましたが、このウエイティングリストがあることで、女性にもチャンスが出てくるのです。

政治塾に応募される方は、いろいろな人がいらっしゃいます。子どもを大切にしたいとか、女性の目線で外交をやりたいとか、そういう志を持って入ってこられます。

冒頭で話した松川議員は、女性局長としてこの政治塾を運営してくれた人でもありますから、やはり彼女の政治活動は総合的に見てあげたいですね。