留学生を抱え込み、意図的に飼い殺しにする大学も

それから箱根駅伝に出場中、もしくは狙える大学は学内に400mのオールウェザートラックを持っており、寮内に高気圧酸素ルームと低圧低酸素ルームを完備しているチームもある。

酒井政人『箱根駅伝は誰のものか「国民的行事」の現在地』(平凡社新書)

またケニア人留学生を入学させるのも費用がかかる。どこに予算をかけるかは各大学によって異なるが、強くなるために“お金”は欠かせない。

あるベテラン監督は、「十数年前までは、ある程度の分別があったんですけど、近年は予算のある上位校が有力選手を抱え込むようになり、どんどん格差が出てきているんです。5000m14分00秒前後の有力選手だけでなく、14分20秒前後の選手も獲得しているので、完全に二極化していますね。箱根駅伝は10人しか出場できないんですけど、他に行って強くなったら困るので、自分たちで囲って選手を飼い殺しするわけです」と困った顔をしていた。

大学のブランド力に差がある一方で、予算の格差も顕著になっている。現在の箱根駅伝は、「公正な競争」になっていない。それは問題視していくべきだろう。

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